2021年 04月 09日
桜吹雪のなか、演奏会後記
駆け抜けております。弦楽器奏者(コントラバス以外の)としての特権は、弦楽四重奏曲が弾けることだとおもうのですが、それを公演にするというのは結構簡単ではなくて、その理由は複数あると思うのですが。ハイドンが生み出してモーツァルトが洗練させ、ベートーヴェンが人生をかけてチョモランマに登頂してしまった後、のちの作曲家もとても頑張って弦楽四重奏曲を書いてきたわけですが、曲のつくりがややこしく、4人ともが技術を持ち、同じ声色を持たないといけないし、どんなに上手な4人が揃ってもリハーサルが大量に必要になってくるのです。それでいて、ジャンルとして(少なくとも日本で)それほどの人気が無いのでお客さんを集めにくい。多分曲が有名でないからでしょうね。オーケストラの有名曲はチラシにその曲目が載ればある程度集客できますが、得体の知れない曲はわざわざ聴きに行って失敗するのが怖いのでは。オーケストラ曲でも弦楽四重奏曲でもそうですが、副題の付いた曲は集客しやすいです。気持ちはわかります。私もずっとジャズを聞きに行きたいと思ってるけど、何を聞いたら楽しいのか、自分が何が好きなのかわからないし、飛び込んでみて上手じゃなかったらショックだし。もうずっとカルテットの本番三昧です。6月入るまでずっと。本番があるということはリハがたくさんあるということでもありますが。ヴァイオリニストである醍醐味を味わえる瞬間です。
さて、
アストル・ピアソラ生誕100年を祝い、名古屋弦楽四重奏団として今日、宗次ホールでのコンサートをしました。なんとこのような中でも196名ほどのお客さんが来てくださり、驚きました。席が間引かれているので、座る場所を探すのに苦労されたと聞いています。
私はピアソラなんて皆知ってるだろうと思っていました。「リベルタンゴ」って聞いたら、ああピアソラねって。ピアソラと聞けばリベルタンゴの作曲家でしょ?と一般的に知られていると思っていましたら、そうではないようです。もっと演奏して、名前を出してあげないといけませんね。