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街歩き編 - Venezia part 2

思いついたことをどんどん書いたら長大になってしまいましたので、今回は2ページ目にいっぱい書きました!お暇なときにどうぞ読んでやってくださいませ。
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ゴシック、ビザンチン、ルネサンスと色々な趣の建物が島にめいいっぱい詰め込まれた様は、リアリティから一瞬で遠ざけてくれます。
大昔の人は完成された美意識を持ち、そもそも自然や宇宙と純粋に繋がれていたんだろうと確信せざるを得なくなるでしょう。視界に入りきらないような壁画も、無数の小さな赤レンガを空高く積み上げられてもなお真っ直ぐ立っている鐘楼も、色とりどりの大理石で柄を作りながら建てられた宮殿も…時間が悠久にあって急ぐ必要が無かった時代だったからこそ、芸術家や建築家の信念を体現することができて、今はもう出来ないのだと。
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ルネサンス美術を、ベネツィア派絵画を然るべき建物の中で!と思うなら美術館や宮殿へ。教会という教会に入ってみるのも面白いですよね。
訪れる人の街へのアプローチの仕方でまったく違った印象を見せるでしょう。なるべくツーリストらしくなく過ごして街への融合を試みるなら、時間を忘れて観光客のいない場所を歩くことです!色とりどりの紙吹雪をまき散らしながら練り歩くカーニバルの時期にかぶらぬように事前に調べて行きました。カーニバルはカーニバルでまた良いのですけどね^^;


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紀元前にギリシャで作られ、ローマへ運ばれて次はコンスタンティノープルに。そして十字軍がコンスタンティノープルから掻っさらってきてヴェネツィアに。その後ナポレオンが持ち去って、彼の死後ヴェネツィアに戻された…。数奇な運命を辿ってきて、やっとここ最近は落ち着いてヴェネツィアにいる4頭のブロンズの馬。。。
夏にフィレンツェに行ったあと、ようやくルネサンスのナンたるかを知りたくなった私は日本から本を持ってきていたのでした。その本のおかげでルネサンスの興りや社会の構造などが頭に入っていたので更に楽しかった。池上英洋さんの著書です。


島の端にあるサンタ・ルチア駅に降りると目の前はもう船着場です。そこから船に乗り、島の真ん中をS字に走る川を通ってホテルの近くまで行きます。当時はこの川が“大通り”で、川のエッジに立つ建物は川側を正面として豪華に装飾しました。
初めて見た本物のヴェネツィアでしたが、実は大した感動が無かったのです!「ふーん、ま、大体こんなもんだな。写真で見た通りの。」と(笑)
1日目の衝撃は何と言ってもホテルに行く船からみたゴンドラ軍です。建物と建物の隙間の、小さなゴンドラでしか通れないような水路から次々にゴンドラが出てくる出てくる。10艇弱はあった。そして全員がカメラを構えているから増しに増す存在感。中国無敵艦隊。


先に着いていた同行者も何故か(既にカンパリを2杯飲んでた)「なんとなくヴェネツィアには失望した」と言っていて、私達は少し街を見ながらそのまま吸い込まれるようにHarry's Barに。このバーは長居して本当に楽しみました♪別の記事で書きますね。
その後行きたいレストランはあったものの、バーで満腹感があり、なんとなく食べる気分じゃなくて、だけど予約してあるから仕方なくレストランに向かいましたが、近くまで来てるのにどうしても見つからない。見つからなくて嬉しい私。結局食べずにホテルに帰ります。

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ヴェネツィアには“人々が住んでいる”というリアリティがあまり見つけられないんです。ゴンドラやその乗組員じゃなくて、ヴェネツィアン・グラスやカーニバルのマスクのお店でもなく、世界中のどこにでもあるブランドのお店でもなく…と取り除いていくと、残るのは人のいない古びた街があるだけです。
中心部から離れれば、やっとスーパーや日曜大工用品屋を見つけられます。
かつてヨーロッパの一大強国だったルネサンス時代からハタリと時が止まってそのまま、街が生きているのと死んでいるのの狭間にいるみたいです。
多くの家が空なように見えましたし、かなりの建物がメンテナンスを必要としてるようですが何しろ建物の数の割には人が住んでいないですし、費用が嵩むので追いつかないんでしょう。

2日目は朝から散策に。狭い方を見たらそちらに、通ったことのない道を見たらそちらに…と小路制覇を目指して。観光客群は見事に決まった場所にしかいないので、少しそこから離れるだけですっかり自分だけの世界が出来上がります。
小さな橋をいくつも渡り、地図には書けないほど入り組んだ細い道をただひたすら進んでいると、いつも唐突に広場が現れて、それのどれもに素敵な教会や家が見られます。どの橋の上から見る水路の風景も、絵画の中に吸い込まれたかのような感覚になりますが、特別美しい場所がいくつかあって、そこに巡りあう度に何度でも感動出来ます。

猫の尻尾を路地の彼方に見れば、走って追いかけて、

微かにヴァイオリンの音が聞こえきたら、どこの家から聞こえるのか家々を塀などの隙間から覗いてスネーク。

対岸に猫を見れば、橋を探し。
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どんどんとそうやって中心部から離れていくと段々と生活エリアに入り、ちょっとしたリアリティが見えてきます。有り余っている建物は体育館、幼稚園、大学としても使われていて、静かな小路の終点の行き止まりには路上生活者が独り、ひっそりと暮らしていました。

路地に入ろうとしたらヴァイオリンを斜めがけして楽譜を持った男の子がニコニコ顔でブツブツ独り言を言いながら前のめりに出てきた。私が丁度カメラを構えてたことになんて気づく様子もなく急ぎ足で行ってしまいました!先生にものすごく褒められたのかな?それともこの後楽しみな事が待ってる?
通りの名前はCalle de la Passion。パッション!
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朝からほわりと暖かい日で、美しい場所を見付けに歩いて歩いて(ヒールをコツコツと鳴らして)
素敵なランチを食べ(数件隣のに行くつもりだったのを間違えて入った場所が当たりだった)
歩いて歩いて(そろそろ足裏に石が響く頃ね)
足を休めにホテルに戻り、また素敵なディナーを楽しんで(全く迷わず行けた)
最後のお客となるまで長居して(サービスの男性とオーナーのマダムとがっちり握手を交わし)
帰るときには小雨が降っており、濡れて幻想的に光る静まり返った路がまた美しく、
今日は私は本当にヴェネツィアにいるのだわと、来てよかったわと雨の中小躍りしながらホテルに。
その夜は何やら楽しい夢を見ていて、自分の笑い声で起きた。(自分で自分が気持ち悪かった…)
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私がいた2日間は心配してたアックア・アルタは無く、たまに青空も見えて風も吹かず街歩きには完璧でしたが、帰る日はガクッと気温が下がり、私のフライトの直後、お昼過ぎには雪まで降り出しましたもの。お天気に恵まれました。ヴェネツィアのいたる所にアックア・アルタ用の仮設橋がすぐに設置できるように積んでありますよ。
ヴェネツィアで何も買うものは無いし、ゴンドラに乗る必要も無いし、教会や美術館の中に入る必要も無い。とにかく小路を地図無く進み、迷って、カフェが現れればそこでカンパリを飲んで胃を温めてまた外へ。島自体が芸術であるから、島の内部内部へ入れば入るほど感動も大きくなるものだと思いました。是非、人のいない時期に訪れてくださいな。普段には泊まれないようなホテルにだって、オフシーズンなら安く滞在できます。
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by kukku-violinist | 2013-02-25 09:17 | -イタリア | Trackback | Comments(0)